カーリースとは？基本的な仕組みについて

カーリースとは、契約者が選択した車をカーリース会社が代理で購入し、契約者は月額料金を支払うことでその車を借り受け、24時間いつでも好きなときに使用できるサービスを指します。

リースした車の所有者はカーリース会社であり契約者は使用者名義になるので厳密にはマイカーではありませんが、契約期間中はその車を独占して使用できるのでレンタカーやカーシェアリングした車よりもマイカーに近い感覚で使用できます。

カーリースの車は改造やカスタマイズできるの？

購入したマイカーのように車を使用できるのが魅力のカーリースではありますが、改造やカスタマイズについてはどうなのでしょうか。

カーリースした車は原状回復して返却するのが基本

一般的なカーリースは、契約満了時にリース車を返却する前提のサービスです。

契約満了時にはそのまま車を返却して契約満了、新しい車に乗り換える、同じ車を再リースする、の３つのパターンの選択肢がありますが、中には残価を支払って車の買い取りができるカーリースもあります。

残価とは契約時に設定する契約満了時の車の予想査定額で、車の返却時の査定で実際の査定額が残価を下回った場合、差額精算が必要です。

なお、リース車の所有者は先述のとおりカーリース会社であることから、契約満了時には車を原状回復して返却する義務があります。

元の状態に戻せないカスタマイズは原則NG

返却時の原状回復義務があるため、カーリースにおいては車を元の状態に戻せないカスタマイズ、改造はできません。

車の価値を損なうような改造をした場合はマイナス査定の要因となるので原状回復費用の他に残価精算が求められ、高額な金額を請求される可能性もあります。

カーリースで改造が認められる場合とは

原状回復できない改造はできないカーリースですが、中には認められるカスタマイズもあります。

純正オプションでのカスタマイズ

純正オプションによるカスタマイズが禁止される場合はほとんどありません。

カーナビなどの利便性を高める機能や快適性を高める機能、今では運転支援技術や駐車支援技術のパッケージオプションなどもあります。

そういったオプションは車の価値を高め、リセールバリューが上がります。また、メーカーの純正オプションで違法改造になるものはないので、純正オプションでのカスタマイズは問題ありません。

なお、カーリースでは契約時に選択したメーカーオプション、ディーラーオプションの料金はリース料にまとめられるメリットもあります。

カーリース会社が必要であると判断した場合

契約者が何らかの身体的障害を抱えていて「リース車を安全に使用するため」には改造が必要であるとリース会社が判断をした場合などは、改造やカスタマイズが認められるケースがあります。

また、リース期間中に何らかの障害を負ってしまい、リース車を安全に使用するためには改造が必要であると判断された場合も同様です。

車を買い取る、もしくはもらえる場合

先に少し触れましたが、今では残価の支払いによって車を買い取れるカーリースや、契約満了時に車がもらえるカーリースも登場しています。

その場合リース契約満了後車の所有権が契約者に移るので、原状回復義務を気にする必要がなくなります。そのため車検に通る範囲内であれば、自由にカスタマイズや改造を楽しむことが可能です。

もし勝手にリース車を改造してしまったら！？

契約書に「カスタマイズや改造は禁止」と記載されていること見落としていたり、忘れてしまったりしてカーリース会社の許可なしに改造してしまった場合はどうなるのでしょうか。

原状回復可能な改造なら認められる可能性が高い

キーとなるのが「原状回復できるかどうか」「保安基準を満たしているか」です。

例えば取り外しの可能なシートカバーやステアリングカバーを装着する、純正サイズのままでデザインの異なるホイール（保安基準に適合するもの）に変える、などは認められるケースがほとんどです。

ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの交換も同様です。

ただし、どこまでのカスタマイズが認められるのかはカーリース会社によって異なるので、カスタマイズや改造をする前にカーリース会社に確認するようにしましょう。

原状回復できない場合は返却時に違約金が発生する

逆に原状回復できないカスタマイズをした場合は、返却時に違約金が請求される可能性があります。場合によっては買い取りが求められることもあるでしょう。

構造変更手続きが必要なほどの改造や、パネルに穴をあけてエアロパーツを装着する、などのカスタマイズはリース車では避けるべきといえます。

違法性のある改造の場合は違約金の請求に加え強制解約されるケースも

保安基準に適合できない社外パーツを取り付けているなど、車検に通らない違法性があるカスタマイズや改造は違約金の請求だけでは済まず、強制解約となる可能性もあります。

場合によっては買い取りが求められる

買い取りの設定がないカーリースであっても、現状回復が不可能なカスタマイズや違法改造した場合は強制解約、そして車の買い取りが求められるケースも皆無ではありません。車の価値が下がり、残価が維持できないからです。

自分流にカスタマイズしたいなら買い取りができる、またはもらえるカーリースがおすすめ

「エアロパーツを組みたい」「マフラーを変えたい」「車高を下げたい」「タイヤのインチを変えたい」などなど車を自分流にカスタマイズをしたい！というのが前提の方には、買い取りができる、もしくは車がもらえるカーリースがおすすめです。

ただし、その場合でも違法性のあるカスタマイズや改造は絶対にNGなので、車検に通る範囲内でカスタムを楽しみましょう。

リース車を賢く利用するために

今回はリース車の改造について解説をしました。

改造がNGのケース、認められるケースはリース会社によって様々ですが、返却時に費用が発生してしまう改造は、せっかくカーリースでお得に新車に乗っているのにそのメリットがかき消されてしまいます。

リース車を賢く利用するためにも「修復が必要となる改造」は控えた方が良いでしょう。