コロナ禍で新車の納車が遅くなっている理由とは？

半導体の供給不足が主な理由

コロナ禍で新車の納車が遅くなっている原因は、半導体の供給不足にあります。半導体は電子機器を制御するため必ず必要になる構成部品であり、車の生産にも欠かせません。このため、半導体が供給不足となると新車を生産できなくなってしまうのです。

しかも、各自動車メーカーは部品の在庫を無駄に持たないようなシステムを採用しているため、部品の供給が止まればすぐに車の生産停止につながってしまうという状況もあります。

なぜ半導体不足に陥っているのか

では、なぜ半導体不足に陥っているのでしょうか？それは、コロナで需要がかなり落ちると予測して半導体メーカーが生産を減らしてしまったからです。そして、コロナ禍にあっても自動車の需要が予想以上に早く回復した上、同じく半導体を使うパソコンの需要がリモートワークの推奨で増えたことにより、需要に対して供給が追い付かない状況になってしまいました。

このように、コロナ禍によって半導体の需要と供給のバランスが崩れてしまったことが、新車の納車の遅れにつながっているというわけです。

納車が遅くなっているコロナ以外の理由

今新車の納車が遅くなっているのは、コロナのせいだけではありません。では、他にどんな理由があるのでしょうか？

米中対立

アメリカが中国の半導体メーカーに制裁をかけたことにより、台湾のメーカーに注文が集中していると言われています。そして、注文が集中してもすぐに大量生産できるわけではありませんので、半導体が不足し車の生産が遅れるというわけです。

災害で工場が稼働停止

災害で製造工場が影響を受けたことも半導体不足につながっています。

国内では、昨年の10月に旭化成の宮崎工場で大規模な火災が発生し、復旧もできない状態になりました。また、今年２月の福島沖地震とそれによる停電でルネサスの那珂工場（茨城県）が一時停止になった上、３月には火災が起き稼働停止になりました。

海外でも、今年２月に米国を襲った大寒波で半導体大手のサムスンのテキサス工場が停止になりましたし、台湾のTSMC社は降雨不足による渇水で半導体を減産せざるを得なくなりました。

そもそも車は生産するのに時間がかかる

車は大きな精密機械ですし、人の命を預かる乗り物ですから、生産にあたっては精度や不具合の有無などの確認も要します。このため、短期間で大量生産することはできず、一度遅れが生じるとそれを取り戻すのにはある程度の時間がかかります。コロナやその他の理由で生じた半導体不足を解消しようと各メーカーは動いていますが、それによってすぐに納車が早まるわけではないのです。

コロナ禍でも早く納車してもらうためには？

コロナ禍にあってもなるべく早く納車してもらうにはどうしたらよいのでしょうか？

方法の１つは、在庫のある車を買うということです。事実、新車は在庫の有無で納車までの日数が大きく変わります。在庫があれば契約から２、３週間で納車されることもありますが、製造から行う場合は早い場合で１か月、遅い場合は２、３か月かそれ以上かかることがあります。しかも、今はコロナ問題等により生産に遅れが出ていますので、さらに時間がかかることを覚悟する必要があります。

また、購入から納車までのスケジュールや手続きを販売店の担当者によく確認するようにしましょう。この点、必要書類を揃えていないと納車が遅れてしまうことがあります。特に「車庫証明」は発効までに日数を要しますので、要チェックです。

新車にこだわらない場合には、中古車を選ぶという方法もあります。当たり前のことですが、中古車はすべて在庫のものですので、比較的短期間で納車してもらえます。なお、中古車の中でも車検が済んでいる車はさらに納車が早いです。

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