車検時に必要な印紙とは？

公文書の作成や領収書の発行を行う際に必要となるのが印紙です。

正式には収入印紙と呼ばれるもので、行政サービスを利用する際の手数料や税金の納付の際にも使用されます。

利用する機関によって使用する証票は次のように異なります。

・収入印紙

政府が法律に基づき印紙税や登録税、手数料、罰金、科料等を徴収する手段として発行する証票

・収入証紙

地方公共団体が条例に基づき使用料や手数料等を徴収する手段として発行する証票

車検時には検査手数料の支払いのために自動車検査票を作成しますが、検査票には収入印紙と収入証紙の２つの証票を添付する必要があります。

これは、国もしくは軽自動車検査協会に支払う「自動車検査登録印紙」と、独立行政法人 自動車技術総合機構に支払う「自動車審査証紙」です。

車検の検査手数料を現金ではなく印紙で支払う理由とは？

車検の検査手数料を印紙または証紙で支払う理由は、道路運送車両法においてそのように定められているからです。

車検を行う際には運輸支局で印紙と証紙を貼り付けた申請書を提出することで、国や機構に手数料を収めたことを確認します。

ただ、車検をディーラーなどの業者に依頼する際はこの手続きは車検業者が代行するため、ユーザー車検をする方以外は実際に車検時に印紙や証紙を目にすることはほぼありません。

印紙代は車検の種類によって金額が異なる

車検にはいくつかの種類があり、車検の種類によって印紙代は異なります。

継続検査

一般的に「車検」というと継続検査を指します。車検証の有効期限更新のために行う車検で、自家用乗用車の場合は新車登録から３年後、それ以降は２年ごとに実施しなければなりません。

継続検査時の印紙代は、以下のとおりです。

新規検査

新規検査は、新たに自動車を登録するときに受ける検査です。型式指定を受けている新車に限り、現車の提示の省略が認められます。

また、一時抹消登録をしている中古車の使用を再開するときにも、この新規検査を受け登録しなければなりません。

新規検査の印紙代を、表にまとめました。

構造等変更検査

一定の範囲内を超える車の長さや幅、高さの変更がある、または最大積載量やエンジンの型式などに変更がある改良をしたときに受ける検査です。

構造検査時の印紙代は、以下のとおりです。

車検を受ける場所で印紙代には差がある

車検の種類によって印紙代が異なることに加え、車検を受ける工場によっても差が出ることがあります。

自動車整備工場には、認証工場と指定工場の２種類があります。

認証工場

認証工場は、一定の規模や設備、国家資格を持った整備士を有し、地方運輸支局から認証を受けており、自動車の特定整備ができる工場を指します。

車両の分解や整備が実施できますが、工場内に車検ラインを持っていません。認証工場に車検を依頼した場合は、工場が運輸支局などの車検場に車を持ち込んで検査を実施することになります。

指定工場

指定工場は、認証工場のうち一定基準の設備や技術、管理組織を持つことに加え、車検ラインを有し、さらに検査員が所属している工場で、地方運輸支局長が指定します。

指定工場では自社工場内での車検ができるため、民間車検場とも呼ばれます。

最も印紙代が抑えられるのはOSSが可能な指定工場

印紙代は認証工場と指定工場で若干の差があり、指定工場のほうが500円程度安くなります。最も安くなるのは指定工場でOSSを導入している場合で、指定工場の印紙代よりもさらに数百円抑えられます。

なお、OSSは「自動車保有関係手続のワンストップサービス」のことで、運輸支局への申請や納付、税金の手続きなどをインターネット上で行えるサービスです。

車検では印紙代のほかにも法定費用がある

車検の法定費用には、印紙代のほかに自動車重量税、自賠責保険料があります。

自動車重量税

自動車重量税は車の重量に応じて税率が変わる税金で、登録から13年経過、18年経過で重課になります。

なお、一定の燃費基準を満たしている場合は性能に応じて税金の減免措置が受けられます。以下に、継続車検時の自家用乗用車の自動車重量税額をまとめました。

自賠責保険料

自賠責保険は、公道を走行するすべての車の加入義務がある強制保険です。自家用車の自賠責保険料（24ヵ月、25ヵ月）は、以下のとおりです。

車検を受けられる場所と費用の傾向

車検を受けられる場所としては、ディーラー、車検専門店、整備工場、カー用品店、ガソリンスタンドなどが挙げられます。

そのうち最も費用相場が高い傾向があるのは、ディーラーです。純正備品を使って整備するうえ、予備整備も丁寧に行い、安心感と信頼感が得られるのがメリットです。洗車や自宅までの車の引き取り、納車サービスなどが受けられるケースもあります。

車検専門店は車検に特化しており、独自の手法を確立しているので即日車検など車検スピードが速い傾向があります。費用も安く、コストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。

整備工場は指定工場か、認証工場かによって車検にかかる時間に差があり、認証工場がより時間がかかる傾向があります。費用相場はディーラーよりも抑えられるケースがほとんどです。

カー用品店やガソリンスタンドも費用相場としては整備工場と同等でしょう。なお、印紙代については、指定工場以外業者による差はありません。

カーリースの車検費用（印紙代）の取り扱いについて

車検は車を維持するためには避けて通れないのが実情ですが、印紙代を含める車検費用の経済的負担は決して軽いものではありません。

車を所有するデメリットの１つに挙げられると言えるでしょう。

しかし、近年人気を集めているカーリースは、車の維持費の負担が非常に少ないことから、節約上手な方たちの間で大きな注目を集めています。

カーリースは利用者が希望する車両をカーリース会社が代理購入して貸し出すサービスで、車の所有権はカーリース会社が持ち、利用者に使用権と車を貸し出します。

カーリースの料金には車検の印紙代や自動車重量税、自賠責保険料、自動車税（種別割）などが含まれています。

なお、カーコンカーリースでは車検基本料もコミコミです。

また、多くの会社がメンテナンスプランを用意しており、メンテナンスプランを追加すればメンテナンスの費用もリース料金にまとめられるので、車検時の負担はさらに少なくなるでしょう。

印紙代に代表される車検費用の負担がないこともさることながら、車検や法定点検のスケジュール管理など車の維持に必要となる管理も利用料金に含まれる個人向けカーリースには多くのメリットがあります。

そのため、車検時の出費に頭を悩ませている方にカーリースは有効な選択肢だと言えるのではないでしょうか。